大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

高鳴る胸に秘められた 覚悟を示すとき #29

2019/07/06(土) 東京ドーム
ベイスターズ 3-4 ジャイアンツ


勝 クリストファー・クリソストモ・メルセデス 6勝4敗
S 中川皓太 3勝1敗12S
負 平良拳太郎 1勝2敗


4点ビハインドの8回表。


ホセ・ロペス、筒香嘉智に連続ホームランが飛び出し、2点差。


9回表には、ストッパーの中川皓太を引きずり出した。


1アウトから背番号29が振り抜いた一打は、レフトスタンドへ。


1点差まで迫ったが、逆転することまでは出来なかった。


しかし、首位を快走する連勝中のジャイアンツに食らいつく姿勢は見せつけた。


その粘りが翌日に繋がっていったのだ。


横浜の扇の要に彼が座ってから、ちょうど1年になる。


2018年7月9日。
オリックス・バファローズとの電撃的なトレードが発表された。


2014年には、ベストナイン・ゴールデングラブ賞・最優秀バッテリー賞。
2015年、16年には選手会長も務めたパ・リーグを代表するキャッチャーの一人の彼が、ベイスターズの一員になった。


バファローズ時代の野球道具のロゴマークを消して試合に臨むほどの緊急トレード。


感傷に浸っている暇はなかった。


チームメイトに積極的に声をかけ、ベイスターズブルーに自ら染まっていった。


迎えた2019年シーズン。
キャンプから横浜の一員として戦える環境に、彼の実力が発揮されていく。


「自分だけでなく、キャッチャー陣で戦いに挑んでいく」


本来、正捕手を争うはずの嶺井博希、戸柱恭孝とも徹底的にコミュニケーションをとっていった。


ライバルである前にチームメイト。


7月4日のタイガース戦。
久々にスタメンマスクを被った戸柱恭孝が今季第1号ホームランを放った時には、誰よりも早く腕を上げ、歓喜の雄叫びをあげた。


9回表から、または9回表の途中から、嶺井博希への交代を命じられたこともあった。


「あの場面で出て行く嶺井の方が大変なはず。代えられてしまう僕が悪い」


どこまでもチームを思っての発言を繰り返す。


そして先発投手が完封した瞬間、両手を大きく広げマウンドに歩み寄る「ヒカルのハグ」は、横浜の新名物になりつつある。


彼は打てるキャッチャーだ。


勝てるキャッチャーだ。


そして、負ける悔しさを誰よりも知るキャッチャーだ。


2014年10月2日。
福岡ヤフオク!ドーム。
福岡ソフトバンクホークス vs オリックスバファローズ。


ゲーム差なしの首位攻防最終決戦。


延長10回の死闘は、サヨナラでホークスに軍配。


ゲームセットの瞬間、正捕手の彼はその場に崩れ落ち、号泣。


ホークスの胴上げの中の男泣きは、勝負の厳しさを教えてくれた。


その彼が、今、横浜に居る。


あの日、福岡で流した涙。


この日、東京ドームで見せた追撃の意地。


その全ては、秋の歓喜の瞬間を目指してのもの。


満身創痍の中でも、彼は戦い続けていく。


勝利の輝き目指して。


歓喜の瞬間を
その手で創るため
高鳴る胸に秘められた
覚悟を示すとき


かっとばせ!ヒカル!


横浜DeNAベイスターズ。
背番号29。
伊藤光。


DO MY BEST AND WORK
HARD FOR MY DREAM.
夢に向かって全力でベストを尽くす。


Go Beyond the Limit.