横浜には「投げる哲学者」がいる。 #21
2019/08/18(日) 横浜スタジアム
ベイスターズ 1-0 カープ
勝 今永昇太 11勝5敗
負 九里亜蓮 6勝6敗
「9回も行かせてください」
三浦大輔投手コーチに直訴して、背番号21は9回表のマウンドに向かった。
球場全体から沸き起こる怒涛のような大拍手。
リードはわずかに1点。
気迫の投球。
魂の投球。
圧倒的な力で27個目のアウトをもぎ取った左腕は、駒澤大学の先輩 戸柱泰孝に満面の笑顔で抱きついた。
ベイスターズ完封劇のクライマックスは、バッテリーの熱き抱擁。
歓喜の輪が幾重にも広がった。
彼個人にとっても今シーズン3度目のシャットアウトゲーム。
ベイスターズのサウスポーでは、1993年の野村弘樹以来26年ぶり。
2桁奪三振を記録して1-0で完封したのは1991年6月30日カープ戦。
これも野村弘樹以来28年ぶり。
奇しくも二人の背番号は「21」だ。
昨年、思うようなピッチングができず苦しむ彼に、野村は激励を続けていた。
「彼はこのまま終わる男ではない」
昨シーズン終了後、オフ返上でオーストラリアに遠征。
失った自信を取り戻す。
2019年は初の開幕投手。
時代は令和に変わった。
背番号21は、その左腕でエースの称号をもぎ取ったのだ。
横浜には、「侍の主砲」筒香嘉智がいる。
横浜には、「小さな大魔神」山﨑康晃がいる。
そして、横浜には「投げる哲学者」がいる。
「もっともっと数を積み重ねないと。突き抜けた成績を残せるように」
エースが見据えるのは、21年ぶりの栄冠。
横浜の夏はどこよりも熱い。
その主役は、背番号21だ。
左腕がうなれば
狙いは外さない
ピンポイントの技
攻めろ 攻めろ 昇太
横浜DeNAベイスターズ。
背番号21。
今永昇太。
THE FLOWER THAT BLOOMS IN ADVERSITY IS THE RAREST.
ピンチの時こそ自分が成長できるチャンス。
Go Beyond the Limit.
I☆YOKOHAMA!
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