大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

いざクライマックスへ! #16

2019/09/24(火) ナゴヤドーム
ベイスターズ 7-1 ドラゴンズ
勝 大貫晋一 6勝5敗
負 エニー・ロメロ 8勝10敗


「絶対に2位になれよ」


優勝がかかったハマスタ2連戦を欠場。
登録抹消が決まり今シーズンの出場が終わったキャプテン筒香嘉智は、小さな大魔神 山﨑康晃に告げる。


その想いを託された守護神は、6点リードの9回裏のマウンドへ。


後半戦の台風の目だったドラゴンズ打線のクリーンナップを、鮮やかな三者凡退で切って取る。


2年ぶり3回目のクライマックスシリーズ進出を決めた。


「12球団で唯一クライマックスシリーズに進出していないチーム」


ベイスターズにつきまとってきた呪いのような言葉は、3年前に払拭した。


だが、もう一つ屈辱的な記録があった。


「12球団で唯一クライマックスシリーズを本拠地で開催していないチーム」


この屈辱を、今シーズンの闘いで、この日の勝利で払拭した。
22年ぶりのシーズン2位が決まったのだ。


「ハマスタのお客さんは、野球のツボみたいなものをわかっていらっしゃる。ここぞという時の声援は、間違いなく12球団トップです。味方としてこんなに有り難かったことはなかったし、敵になった時こんなに嫌なものはなかった」
(佐伯貴弘)


最大で16試合。
このポストシーズンを本拠地からスタートすることができる。


シーズンを勝ちきれなかった悔しさを、やり返せる舞台は整った。


その勝利をたぐり寄せたのは、背番号16だった。


三浦大輔に憧れた横浜の野球少年は、地元横浜のシニアチームから、静岡県の桐陽高校。
日本体育大学、新日鐵住金鹿島へ。


順調な道のりではなかった。


中学では投げた記憶がほとんどない。
補欠ですらなかったのだ。


試合に出たいがために、神奈川県内の強豪校にはあえて進まなかった。


大学も右肘のトミー・ジョン手術して2年投げていない。


「プロなんて縁ないと思っていました」


保健体育の教員免許も取り、製薬会社の営業職の内定も取っていた。


だが、夢を諦められなかった。


社会人に進み、その努力が実を結ぶ。


2018年10月25日。
横浜DeNAベイスターズがドラフト3位で指名。


少年時代からの夢が実現。


背番号は16。


鈴木隆。
野村収。
右田一彦。
欠端光則。


ホエールズ、ベイスターズの70年の歴史を飾った名投手たちの系譜に連なる。


現二軍コーチの川村丈夫。
優勝時のローテーション投手として。
2000年代前半はクワトロKの一員としてリリーフで。


昨年引退した加賀繁。
先発にリリーフに大車輪の活躍。
スワローズのバレンティン・キラーとしても知られ、引退試合にはビデオメッセージまで寄せられた。


新日鐵住金鹿島の先輩の背番号を継承する事となった。


流れるようなピッチングフォームは川村。


粘り強い投球は加賀。


誠実で温厚な人柄は、同じく社会人出身の川村、加賀の両先輩の姿を彷彿とさせる。


7月まで先発ローテーションの一角を務め、5勝をマーク。


だが、そこから白星に見放された。


ファームでの調整を経て、大事な試合の先発を任されるまでになった。


5回。
打者17人。
75球。
失点1
奪三振6。


堂々たるピッチングで、自身2カ月ぶりの勝利は6勝目。
そして、チームの2位を決める大事な勝利となった。


「一人ひとり、全力でアウトを取りに行きました。今日勝てたことが自分の中で大きいです」


秋の陣に向けて、闘いは始まった。
苦しかった先発陣も、ここに来て陣容が整いつつある。


苦労人のルーキーが、その一角を担う。


新たな闘いへ。勝利へ。
そして、21年ぶりの栄冠へ。


一気に駆け抜けよう!


秋の横浜劇場を見逃すな!


たたかうぞ
闘志みなぎらせて
勝利の海
行くぞベイスターズ


横浜DeNAベイスターズ。
背番号16。
大貫晋一。


SEIZE THE DAY.
今という瞬間を大事に一生懸命生きたいという想い。


FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。