新たな歴史にその名を刻め #3
2020年6月24日(水)
横浜スタジアム
ベイスターズ 3-2 ドラゴンズ
勝 井納翔一 1勝0敗
S 山﨑康晃 0勝0敗2S
負 山本拓実 0勝1敗
蒼い韋駄天の意地の一振りが試合を決めた。
「とにかく塁に出ることだけを考えています。いいスイングができました」
今季初先発は勝利の井納翔一とともに、ヒーローインタビューを受けた背番号3は、冷静に試合を振り返った。
1988年8月28日生まれ。
島根県松江市出身の31歳。
開星高校から2006年高校生ドラフト3位で入団。
走攻守三拍子揃った逸材は将来のチームの中心選手にと期待され、入団2年目にはファームでショートのレギュラーポジションをつかんだ。
だが、一軍からなかなか声がかからなかった。
「どうしたら、一軍に上がれるんだろう」
先輩に悩みを打ち明けたこともあった。
そのポテンシャルに注目していた他球団からトレードの打診もあったとされる。
転機は2012年。
新球団「横浜DeNAベイスターズ」が誕生。
中畑清が初代監督に就任する。
「内野のスーパースターを作りたいんだ」
開幕戦に1番ショートで大抜擢。
翌2013年には、シーズン後半に16本のホームランを放ちブレイク。
2014年には外野手にコンバートされ、背番号が3に変更。
トリプル3に近い選手の一人との声も上がってくる。
中心選手となりチームも力を付けていった。
2016年には12球団最後となるクライマックスシリーズ進出に貢献。
ジャイアンツとのファーストステージでデッドボールを受け、左手薬指を骨折。
彼は指揮官に直訴する。
「僕は何があっても試合に出たいです。でも決めるのは監督です」
「その言葉で充分だ」
彼はカープとのファイナルステージのスタメンに名を連ねる。
骨折した薬指と小指を固定して、大切なグローブにはさみを入れて出場。
ホームランを放ち、フェンスに激突しながらファールフライをキャッチした際には、カープファンからも拍手が起こった。
だが、日本シリーズには進めなかった。
「ビールかけって、どんな感じなんだろうなあ」
開幕前には同級生の宮﨑敏郎と語り合った2017年シーズン。
リーグ3位ながらもクライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズに出場を果たす。
悲願のリーグ優勝に向けて、更なる飛躍を期していた。
だが、チームが力を付けると言うことは競争が激しくなるということ。
新戦力の台頭。怪我や不調もあり、長いファーム暮らしも味わった。
並々ならぬ決意で臨んだ2020年シーズン。
1番センターで開幕スタメンを勝ち取った。
「気を抜くことなく、必死に頑張るだけです」
熱い闘志を心に秘め、蒼い韋駄天は勝利を目指す。
22年ぶりの栄光の頂へ。
新たな歴史を創るため。
ダイヤモンドを駆け抜けろ!
新たな歴史に
その名を刻め
梶谷隆幸
蒼い韋駄天
横浜DeNAベイスターズ。
背番号3。
梶谷隆幸。
I CAN DO IT.
不安があっても「俺はできる」と言い聞かせてプレイに臨む。
心をひとつに。
BECAUSE WE ARE FAMILY.
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