大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

オトコハ、ダマッテ、ナゲルダケ #62

2020年7月25日(土)
横浜スタジアム
ベイスターズ 6-2 カープ
勝 今永昇太 3勝2敗
負 床田寛樹 1勝3敗


朝からビッグニュースが飛び込んできた。
筒香嘉智が、メジャーデビュー戦で初安打初ホームラン。
打席に入る時には、ベイスターズ時代の応援歌も流される中での快挙だった。


思えば横浜でのプロ初安打もホームランだった。
2010年10月7日。
横浜スタジアム。
タイガース黄金のJFKの一角久保田智之から放った一打は美しい放物線を横浜の空に描いた。


そこから200本以上のホームランを放ち、最下位の常連だったチームを優勝争いのできるチームにしたハマの主砲は、海を渡った。


その前夜には、彼から四番とキャプテンを引き継いだ佐野恵太が逆転サヨナラ満塁ホームラン。


そしてこの日は、横浜高校の2学年後輩にして兄弟のように慕いあう乙坂智が試合を決める3ランを放つ。


4点リードとなった7回表。
マウンドにはエース今永昇太に代わって、ハマの豪腕サウスポーが向かった。


1992年4月22日生まれ。
ベネズエラ・ボリバル共和国バルガス州出身の28歳。


父もメジャーリーグ経験者。
「ホセは素晴らしい遊撃手だったよ」
インディアンズ時代には、現指揮官のアレックス・ラミレスとの出会いもあった。


今年からスワローズで活躍する内野手アルシデス・エスコバーはいとこにあたる。
年末には親戚のプロ野球選手が集まって試合ができるほどの野球一族だ。


レッドソックス、ダイヤモンドバックス、インディアンズなどを経て、2017年に来日。日本ハムファイターズの一員となった。


同年7月22日。
黒羽根利規との交換トレードでベイスターズへの移籍が発表される。
来日1年目の外国人選手のトレードは史上初の出来事だったが、左腕は新天地で躍動する。


貴重なブルペン陣の一員として大活躍。
150km代後半の剛速球で、チームの日本シリーズ進出に貢献。


どんなシチュエーションでも投げ抜く彼に、疲労を心配する声がささやかれた。


「オトコハ、ダマッテ、ナゲルダケ」


闘志満々に投げ抜くスタイル。
リリーフに失敗して先発投手の勝利を消してしまった時の頭を抱える仕草。


いついかなる時も全力投球。
背番号62は今日もマウンドに向かう。


回またぎをいとわない豪腕は8回表のマウンドへ。
エラーや不運なあたりもあり、ノーアウト満塁の大ピンチ。


何かが起こる真夏のスタジアム。
ただでは終わらない真夏のカープ戦。


この大ピンチに、あの日の記憶が蘇った。


1998年8月28日。
横浜スタジアム。
38年ぶりの優勝に向けて乾坤一擲の戦いが続いていた。


「あの頃のベイスターズやカープと戦うのは、プロとして本当に楽しかった」
ジャイアンツとベイスターズで活躍した仁志敏久が語るように、両チームとも脂ののりきった選手同士の闘いだった。


7点リードのベイスターズは、1点差まで追い上げられる。
8回裏ノーアウト2,3塁の大ピンチ。


マウンドには豪腕セットアッパー五十嵐英樹。背番号は13。
雄叫びもろとも、渾身のピッチング。


金本知憲、江藤智、緒方孝市から、圧巻の3者連続三振。


「ハマのヒゲ魔神」誕生の瞬間だった。


そこからチームは一気に走り抜き、38年ぶりの日本一を達成した。


時は戻り、2020年の横浜スタジアム。


令和の豪腕サウスポーはギアを全開にする。
左腕を振りぬき、剛速球を投げ込み続ける。


投げた後、マウンドから降り、相手をにらみつけるように返球を受けるスタイルは、現投手コーチの木塚敦志を彷彿とさせる。


圧巻の2者連続三振から、代打長野久義をセカンドゴロ。


絶体絶命の状況を脱して、左腕は大粒の汗を滴らせながらも軽やかにベンチへ帰還した。


「誰かがミスをしたら誰かが補う。今のベイスターズはそういうチームになっている」


この日100登板を勝利で飾ったハマのエース「投げる哲学者」今永昇太は誇らしげに語った。


「いよいよ優勝が狙えるところまで来ていると思うし、このチームの仲間たちと一緒に喜びをわかちあいたい」


男に二言はない。
そして、彼は今日もマウンドに向かう。


横浜のブルペンには、この男がいる。


22年ぶりの栄光へ。
一気に駆け抜けよう!


心をひとつに 共に歩もう
すべての力合わせて 共に闘おう
どんな時も夢めざし 共に輝こう
心をひとつに
心をひとつに
We☆YOKOHAMA
We☆YOKOHAMA
We☆YOKOHAMA No.1


横浜DeNAベイスターズ。
背番号62。
エドウィン・エスコバー。


GO HARD OR GO HOME.
やるかやられるか。常にそういう気持ちでプレイしている。


心をひとつに。
BECAUSE WE ARE FAMILY.