大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

青森生まれの超新星 #61

2020年9月10日(木)
横浜スタジアム
ベイスターズ 7-8 タイガース
勝 ジョー・ガンケル 1勝2敗
S ロベスト・スアレス 1勝0敗14S
負 国吉佑樹 3勝3敗


横浜の夏、年に一度の一大イベント「YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2020」。
最終日に、また新たな星が誕生した。


3点ビハインドの4回裏。
背番号61のルーキーに代打のチャンスが巡ってくる。


相対するは大ベテランの能見篤史。
海千山千のサウスポー相手に粘りに粘った8球目。


低めのストレートを鋭く振り抜いた打球は、バックスクリーンへ。
鋭い軌道を描き、プロ入り初ヒットが初ホームラン。


鮮烈なデビューを飾った。


1997年9月20日生まれ。
青森県青森市出身の22歳。


青森商業から青森大学へ進学。
高校も大学も、他県の強豪校からいくつもの誘いがあった。


「青森で活躍して、青森からプロ野球選手になりたい」
その誓いは結果となって現れる。
走攻守そろった逸材は、プロの目にとまる。


2019年ドラフト6位で入団。
横浜の東北地方担当スカウトは欠端光則。


「甘い球は見逃さずに長打にでき、追い込まれたら逆方向に打てる。抑えるのはしんどい打者」


岩手県出身の通算57勝右腕の眼力は確かだった。


同じ青森大学出身で、現在は関西担当スカウトの八馬幹典がかつて背負った「61」が背番号に決まった。


憧れの選手は、宮﨑敏郎。
そのフォームを参考にしてさらなる打撃開眼。
プロ入りにつながる大活躍に繋がった。


同じドラフト6位から球界を代表する選手になった偉大な先輩と戦える栄光の日々が始まった。


キャンプで頭角を現すも左手薬指を骨折。
滑り込みで開幕一軍入りも、代打で1打席に出場しただけでファーム再調整を余儀なくされた。


そのファームで圧倒的な結果を残し再昇格。
そしてこの日の初ホームランとなった。


「チャンスをもらっても、なかなか結果を出せず苦しかった。最高の結果でうれしいです」


バックスクリーンにぶち当たった記念のボールは、彼がダイヤモンドを駆け抜ける間にベンチに戻ってきた。


首脳陣やチームメイトから祝福される列の中、倉本寿彦の手から確かに渡された。


彼も八馬スカウトが担当した選手。
これにも不思議な縁を感じざるを得ない。


「青森の野球少年少女の憧れになりたい」
高校大学とねぶたの「引き手」を務めた。


入団時には、地元名産の黒ニンニクを持ち込み毎日食べている。


「自分の活躍で青森をPRできたらいいなと思っています」


記念のボールは青森の両親へ贈るという。


ハマの夜空を切り裂いた一撃は、伝説の第一歩。
青森生まれの超新星は更なる爆発を誓う。


横浜の暑い季節が続いていく。


港男は誰も みんな
答えが出せるさ Go Go Let's Go!
ここで一発 蝦名!
ここで一発 蝦名!
ライトへ レフトへ ホームラン
それゆけ それゆけ それゆけ 蝦名!


横浜DeNAベイスターズ。
背番号61。
蝦名達夫。


No glory without suffering.
苦しみなくして栄光なし。


心をひとつに。
BECAUSE WE ARE FAMILY.