大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

心で勝て #5

2021年4月27日(火)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島

ベイスターズ 1-10 カープ

勝 森下暢仁 3勝2敗

負 大貫晋一 1勝2敗

 

 

厳しい闘いが続いている。

そして、今宵も辛い光景が繰り広げられた。

 

最下位にあえぐチームにあって、頼みの綱だった昨年の10勝投手・大貫晋一がカープ打線の餌食に。

まさかの3回途中7失点のノックアウト。

 

苦悩にあえぐ右腕に、一人の男がマウンドに声をかけに行った。

 

彼もまた、苦悩の淵から這い上がってきた選手だ。

 

1991年1月7日生まれ。

神奈川県茅ヶ崎市出身の31歳。

 

湘南の野球少年の憧れは、石井琢朗。

 

「石井さんのような選手になりたい。そして横浜スタジアムで活躍したい」

 

ハマのリードオフマンに魅了された彼は、名門・横浜高校に入学。

 

1学年下の筒香嘉智らとともに甲子園の土を踏み、全国ベスト4。

 

東京新大学野球の強豪・創価大学へ進学。

 

心で勝て

次に技で勝て

 

故に

練習は実践

実践は練習

 

同級生の小川泰弘(現・スワローズ)らとともに神宮の大学選手権に出場し、全国ベスト4。

 

キャプテンとして活躍した彼は、エース小川とともにプロ志望届を提出。

 

だが、指名は叶わなかった。

 

「もう一度、原点に戻ってやり直す」

 

捲土重来を期し、関西社会人野球の雄・日本新薬へ就職。

 

南海ホークス等で活躍した門田博光に師事し、打撃開眼。

 

再度、ドラフト指名候補となった。

 

「強打の内野手が欲しかった」

 

中畑清監督の強い意向から、2014年ドラフトで3位指名を受けた。

 

「背番号5空いてるぞ」

 

この年のドラフトは、1位亜細亜大学のエース山﨑康晃(背番号19)。2位が法政大学のサウスポー石田健大(背番号14)。

 

そして、森本稀哲が前年に退団していたことから、背番号5を彼は背負うことになった。

 

「やっと、この番号にふさわしい選手が出てきてくれた」

 

当時、カープのコーチをしていた石井も喜びを隠さなかった。

 

ルーキーイヤーから、ショートの定位置を獲得。

2017年にはチームとしてはその石井以来のフルイニング出場を果たし、19年ぶり日本シリーズ進出の原動力となった。

 

翌年、タイガースから球界屈指の守備職人・大和がフリーエジェントで加入。

 

本職ではないセカンド守備にも戸惑い、スタメン落ち。

その不調は翌年まで続いた。

 

ファーム暮らしの長いシーズンにあって、改めて自分自身を見つめ直す。

 

そしてコロナ渦の2020年には、代打や守備固めからチャンスを活かし、今一度一軍の舞台に戻ってきた。

自身初の満塁ホームランも記録している。

 

この年のオフ、球団生え抜き最年長野手の石川雄洋が退団。

 

「チャンスはあるから頑張れよ」

 

横浜高校の4学年の先輩からからかけられた言葉を胸に、背番号5は復活を果たした。

 

栄冠掴むその日まで

恐れず飛び込めベースへ

 

大量ビハインドで出場した時でも見せたヘッドスライディングは、ファンの語り草。

 

背番号5も、しばしばヘッドスライディングでナインを鼓舞する。

 

熱い心の初代キャプテンから、言葉では表せない財産も引き継いだ。

 

看板選手のフリーエジェント移籍。

外国人選手抜きでのスタート。

主力選手の故障。

 

シーズン前から、不安な要素は指摘されてきた。

 

だが、ここまで苦戦するとは誰が予想しただろうか。

 

闘いは続いていく。

やり返すチャンスは、いくらでもある。

 

このチームにはその力があるはずだ。

 

そして、我らは声援を送り続ける。

 

 

かっとばせ 見せろ男意気

さあ打つぞ 勝利へ導け

 

横浜DeNAベイスターズ。

背番号5。

倉本寿彦。

 

PLAY FROM THE HEART

心で勝て。

 

今こそ、横浜一心。