大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

磨穿鉄硯 #20

2021年7月12日(月)

阪神甲子園球場

ベイスターズ 3-4x タイガース

勝 及川雅貴 2勝1敗

負 三嶋一輝 1勝4敗15S


2021年7月13日(火)

阪神甲子園球場

ベイスターズ 8-2 タイガース

勝 坂本裕哉 3勝2敗

負 ラウル・アルカンタラ 2勝2敗


信じられない光景が目の前に広がっていった。


3点リードの9回裏。

守護神三嶋一輝がタイガース打線の餌食となり、まさかまさかのサヨナラ負け。


「2死からですからね。原因? 分かんない。本人が一番悔しいと思う」


信じられない結末に、指揮官は判定に言及することもなく、ましてや守護神を責めることもなく語った。


「終わったことは変えられない。明日やり返すために頑張りたい」


そして、新しい朝が来た。


「いろいろ話はしました。悔しい気持ちもあったし。やり返す気持ちも感じた」


ひとまずは、この日のベンチ入りメンバーから守護神は外れた。


その思いはナインが十分に感じていた。


初回から打線が爆発する。

連打連打で3点を先制。


その援護を受けてマウンドに向かった背番号20にも、秘めた決意があった。



1997年7月28日生まれ。

福岡県福岡市西区出身の23歳。


三嶋は、同郷の憧れの存在。

実家は歩いて20分の距離にあり、同じ幼稚園に通っていたという。


福岡大学附属大濠高校から立命館大学へ。


2学年先輩に、東克樹がいた。


大学2年生時の秋の優勝決定戦。エース東が肉離れで登板回避。

彼に先発が告げられたのは、移動のバスの中でのこと。


緊急登板の先発マウンドは、5回途中で無念のノックアウト。

先輩たちの最後のリーグ戦。

優勝の可能性を消してしまった。


「いい経験になったやんか」


あの時、東からかけられた言葉があったからここまで頑張れた。


憧れの先輩はプロ入り後、世間をあっと言わせる大活躍で堂々の2018年新人王。


運命に導かれるように、2019年ドラフト2位でベイスターズからの指名を受けた。


その東は、トミー・ジョン手術を受けリハビリを続ける中、彼にアドバイスを送り続けた。


そして7月11日のファームの試合で、688日ぶりの登板を果たしていた。


「怖さは全くなかった。相手はノリノリで来る。攻めてやろう」


地元の話で気さくに話しかけてくれる守護神のために。


復活を果たした尊敬する大学の先輩左腕のために。


そして、何よりチームの勝利のために。


7回裏のピンチを切り抜けた際には、渾身のガッツポーズが込み上げてきた。


「去年から見ていて一番いい投球だった」


指揮官もうなる快投で連敗ストップ。


「9連戦で中継ぎの皆さんもたくさん投げている。最後までマウンドにいてやる気持ちだった」


パーソナルスローガンは「磨穿鉄硯(ませんてっけん)」。

「強い意志を持ち続けて、それを達成するまで変えない」という意味。


グラブに刺繍をしている言葉だ。


やられたら、やり返せ!


打てるもんなら、打ってみろ!


この心意気こそプロの証。


負けじ魂こそが、反転攻勢の武器だ。


左腕がうなれば

狙いははずさない

ピンポイントの技

攻めろ攻めろ 裕哉


横浜DeNAベイスターズ。

背番号20。

坂本裕哉。


STUDY FURIOUSLY

UNTIL I ACHIEVE MY GOAL

磨穿鉄硯。


I☆YOKOHAMA

今こそ、横浜一心。