苦心の本拠地初勝利 #27
2019/05/25(土)
ベイスターズ 6-5 タイガース
勝 上茶谷
負 メッセンジャー
S 山﨑
「先発マウンドに向かう時は、常に完全試合を目指していた。ランナーを出してしまったらノーヒットノーラン。ヒットを打たれても完封。点を取られたなら完投。それがダメなら必ず勝つ。そう決めていた」(三浦大輔)
背番号27は、本拠地の9回表のマウンドに向かった。
7連敗中のランディ・メッセンジャーを、打線は打ち崩していた。
7連敗中のタイガース打線を、8回までヒット2本に押さえ込んでいた。
だが、25個目のアウトを取る前に4連打。
豪速球左腕エドウィン・エスコバーのリリーフを仰ぐ、無念の途中降板。
そして出番のなかったはずの「小さな大魔神」のテーマ曲がハマスタに鳴り響く。
「山崎康晃さんが出てきた瞬間、一体感に鳥肌が立った。球場の雰囲気やベンチとかを見ていて、すごくいいなと。ここで野球をしたいと思ったので、何かの縁なのかなと思います」
昨年のファイターズ戦を、東洋大学のエースだった彼は観戦していた。
スタンドとベンチ。
同じテーマ曲でも、同じヤスアキジャンプでも、まったく意味合いが違う。
祈るような表情で、彼はマウンドを見つめる。
本来は出番のなかったはずのクローザー。
打ち取ったと思った打球が、ヒットになる。
追いつたはずの打球が、これまたヒットになる。
6点差の楽勝ムードから、1点差。
7連敗で止めることができなかった4月25日のタイガース戦の悪夢が、脳裏をよぎる。
だが、我らの守護神は粘り抜いた。
レフト関根大気のグラブにウイニングボールはおさまり、ゲームセット。
その瞬間ストッパーに笑顔はなかった。
苦心の末に勝利を掴んだルーキーは、マウンドに駆け寄り、申し訳なさそうに頭を下げる。
その姿に、小さな大魔神ははにかんだように笑顔を見せた。
ヒーローインタビューでは、ホセ・ロペスが彼の頭を小突くようなしぐさで、彼の緊張をほぐす。
「二桁勝利を目指します!」
力強い言葉に、勝てた安堵と明日への決意が漲る。
背番号27はエースの称号。
現役通算201勝145完投28完封。
カミソリシュートの平松政次が背負い歴史を創った。
球団創設70周年から始まる栄光への航海。
令和の大エースへ。
ハマの夕空に、出航の汽笛は鳴り響いた。
たたかうぞ
闘志みなぎらせて
勝利の海
行くぞベイスターズ
横浜DeNAベイスターズ。
背番号27。
上茶谷大河。
ALL IS WELL.
すべてに勝ち抜いていく。
Go Beyond the Limit.
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