ハマのエース #21
2023年4月21日(金)
MAZDA Zoom-Zoomスタジアム 広島
ベイスターズ 1-0 カープ
勝 今永昇太 1勝0敗
S 山﨑康晃 0勝1敗5S
負 ロベルト・コルニエル 0勝1敗
我らのエースが帰ってきた。
ベイスターズ先発陣の、そしてWBC投手陣のしんがりを飾り、広島のマウンドに立った。
「野球を終えるとき、このマウンドのことを真っ先に思い出せるように、そんな投球をしたい。勝つための投球をしたい」
WBC決勝のアメリカ戦で先発。そして勝利投手に。
帰国後に慎重な調整を重ねての復帰登板。
「期待通りのピッチングをしてくれた。全てが良かった。芸術品を見ているような感じ」
指揮官も絶賛する圧巻の内容。
8回101球。
打者28人。
被安打5。
奪三振6。
8回のピンチにも、動じることなくギアを上げ切り抜けた。
無四球にして無失点。
これぞエースの投球だった。
1993年9月1日生まれ。
福岡県北九州市八幡西区出身の29歳。
県立北筑高校から、駒澤大学を経て、2015年ドラフト1位で入団。
開幕からローテーション投手として活躍。
好投を続けながらも、勝てなかった。
「負けた投手の名は残らない」
「援護がないという言い訳は、防御率0点台の投手だけが言える」
「三振を取れる投手より、勝てる投手の方がいい。力のない人間は練習するしかない」
プロ初勝利は、同年5月6日のカープ戦。
奇しくも、このマツダスタジアムだった。
「今日は広島打線ではなく、過去の自分に勝てたと思います」
圧巻の投球内容に、抜群のコメント力。
「投げる哲学者」が、横浜のマウンドで輝き始めた。
この年、チームは始めてクライマックスシリーズに進出。
10月15日。
ファイナルステージ第4戦。
マツダスタジアムの先発マウンド。
1回6失点でノックアウト。
試合後、ベンチで泣き崩れた。
やられたら、やり返せ!
2017年4月19日。
あの日以来の、マツダスタジアム。
1安打にして、プロ初完封。
10月23日。
クライマックスシリーズファイナルステージ第4戦。
雨で順延が続き、リリーフで登板。
2回無失点投球で、翌日のファイナル突破への大きな流れを作った。
紆余曲折を経て、チームのエースと呼ばれる存在になった。
WBCでは、ダルビッシュ有、大谷翔平らと世界一に大きく貢献。
「大谷選手はなぜすごいのか。野球に対して雑なところが一切ないんです。
試合後は必ずウェイトをやってコンディションを整え、食生活も含め規則正しく日々を過ごしている」
「ダルビッシュさんは、野球うんぬん以上にマインドに感銘を受けました。
自分の意見が通る立場なのに、日本代表のときはそれを一切しないんです。
むしろダルビッシュさんにしかできないことをチームのためにやる」
「僕が生きていく上でその姿は参考になったし、自分のチームに落とし込まなければ。
あのレベルの選手たちがこれだけやっているんだから、自分はどこで勝負すればいいのか考えさせられました」
「あの人たちにはない自分の長所を生かし、上回っていかなければと気づかされました」
無形の財産の得たハマのエースが、最高のスタートを切った。
「自分なりのプレッシャーもあったが、ここまでうまくいくとは思わなかった」
左腕は、冷静な表情で謙虚に試合を振り返った。
ベイスターズに、最も頼れる男が帰ってきた。
頂点を目指す、熱き闘いが続いていく。
左腕がうなれば
狙いははずさない
ピンポイントの技
攻めて攻めろ 昇太
横浜DeNAベイスターズ。
背番号21。
今永昇太。
横浜頂戦。
I☆YOKOHAMA!
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