大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

打てるもんなら打ってみろ! #26

2019/04/10(水) 阪神甲子園球場
ベイスターズ 2-0 タイガース


勝 濱口
負 青柳


最高の笑顔が甲子園のマウンドに弾けた。


9回136球1安打の大熱投。


27個目のアウトを取った瞬間、女房役の伊藤光がマウンドに駆け寄る。


バッテリーは手を大きく広げて、満面の笑みで抱き合った。


今シーズンチーム初完投にして初完封は、自身プロ入り3年目にして初完投初完封。


最悪の大逆転負けから一夜。
その左腕でチームを覆う暗雲を吹き払った。


1995年3月16日生まれ。
佐賀県三養基郡基山町出身の24歳。


佐賀県立三養基高校から、神奈川大学を経て、2016年ドラフト1位で入団。


豪快無比なピッチングで開幕先発ローテーション入り。


チームのルーキーとして川村丈夫二軍投手コーチ以来20年振りの10勝を記録。


19年ぶりに進出した日本シリーズ第4戦では巨大戦力ホークス相手に快投。


VICTORY is WITHIN US.
彼の快投を見て、指揮官は2018年スローガンを決めた。


充実の2年目になるはずだった。
左肩の違和感から開幕に間に合わず。


復帰後も前半戦は0勝。


7月1日のカープ戦では、1イニング6四球4連続押し出しという不名誉な記録をつくってしまう。


「思い切り腕を振ってこい。全部受け止めてやるから」


デビュー以来、彼とバッテリーを組み続けた髙城俊人のオリックス・バファローズへの移籍が発表される。


あの屈辱の登板直後の知らせに、きちんとした挨拶も出来ないままの突然の別れとなってしまう。


しかし、それは新たな出会いの始まりでもあった。


髙城のトレード相手は伊藤光。
2014年のゴールデングラブ賞、ベストバッテリー賞キャッチャー。


「今までの僕にないものを引き出してくれる」


左腕は再び起ち上がり、後半戦だけで4勝。
復活への手応えを掴む。


そして迎えた2019年シーズン。
開幕ローテーションを勝ち取った。


「三浦コーチが『俺が監督に推しておく』と言ってくださった。それに応えるだけだった」


「一番大事なのは、気持ちなんです。それを選手たちに伝えたい」


投手コーチとしてチームに復帰することが決定した時、ハマの番長 三浦大輔は力強く語った。


技術。
戦術。
セオリー。


プロの世界で勝つために様々な要因があろう。


だが、最後の最後は、やはりハートなのだ。魂なのだ。


「めっちゃうれしいよ。俺は。めっちゃうれしい」
監督に彼の続投を進言した三浦は、我が事のように喜びを爆発させた。


三浦は、現役時代「虎キラー」としても名を馳せた。


Hit it! If you can.
打てるもんなら打ってみろ!


デビュー以来、甲子園で負けなし。
この番長の魂を受け次ぐ、新虎キラーの誕生だ。


創設70年の春。
栄冠への進撃が始まった。


左腕がうなれば
狙いははずさない
ピンポイントの技
攻めて攻めろ ハルヒロ


横浜DeNAベイスターズ。
背番号26。
濱口遥大。


BE HONEST, BE HUMBLE AND BE GREEDY.
素直に、謙虚に、貪欲に。


Go Beyond the Limit.