背番号16の系譜 #16
2019/04/11(木) 阪神甲子園球場
ベイスターズ 5-2 タイガース
勝 大貫
負 秋山
S 山﨑
9回裏のマウンドには、小さな大魔神 山﨑康晃。
タイガース打線を3人で抑え込む。
マウンドに歓喜の輪が広がる。
ウイニングボールを手に、ナインとハイタッチ。
記念のボールは、彼の手に渡された。
精悍な青年の顔が、野球少年のような笑顔に変わる。
ガッツポーズで指揮官と記念撮影。
生涯の思い出に残るプロ初勝利となった。
1994年2月3日生まれ。
横浜市青葉区出身の25歳。
ベイスターズファンの野球少年は、ユニフォームに身を包み、ハマスタで熱く声援を送った。
地元の横浜青葉シニアから、静岡県の桐陽高校。
日本体育大学、新日鐵住金鹿島へ。
順調な道のりではなかった。
「中学も投げた記憶がほとんどない。大学も右肘のトミー・ジョン手術して2年投げていません。プロなんて縁ないと思っていました」
保健体育の教員免許も取り、製薬会社の営業職の内定も取っていた。
だが、夢を諦められなかった。
社会人に進み、その努力が実を結ぶ。
2018年10月25日。
横浜DeNAベイスターズがドラフト3位で指名。
少年時代からの夢が実現。
「続けていれば、いいこともあるなって。諦めずに頑張っていれば、自分みたいなやつでもプロに入れるんだって。自分が地元のチームのユニホームを着られる日が来るなんて。感慨深いですよ」
背番号は16。
鈴木隆。
野村収。
右田一彦。
欠端光則。
ホエールズ、ベイスターズの70年の歴史を飾った名投手たちの系譜に連なる。
現二軍コーチの川村丈夫。
優勝時のローテーション投手として。
2000年代前半はクワトロKの一員としてリリーフで。
昨年引退した加賀繁。
先発にリリーフに大車輪の活躍。
スワローズのバレンティン・キラーとしても知られ、引退試合にはビデオメッセージまで寄せられた。
新日鐵住金鹿島の先輩の背番号を継承する右腕は、プロ2度目の先発。
流れるようなピッチングフォームは川村。
粘り強い投球は加賀。
誠実で、温厚な人柄は、同じく社会人出身の、川村、加賀の両先輩の姿を彷彿とさせる。
「ここまで面倒を見てくれて、支えてくれた方に感謝したい」
謙虚な青年は、既に闘志を次戦に向けている。
横浜出身の右腕がベイ戦士の陣列に加わった。
新たな歴史が幕を開けた。
たたかうぞ
闘志みなぎらせて
勝利の海
行くぞベイスターズ
横浜DeNAベイスターズ。
背番号16。
大貫晋一。
SEIZE THE DAY.
今を懸命に生き抜く。
Go Beyond the Limit.
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