大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

初心忘るべからず #4

2019/08/13(火) 明治神宮野球場
ベイスターズ 7-8 スワローズ
勝 梅野 雄吾 1勝2敗4S
S デーブ・ハフ 1勝2敗1S
負 エドウィン・エスコバー 3勝3敗


2019/08/14(水) 明治神宮野球場
ベイスターズ 2-15 スワローズ
勝 石川雅規 6勝5敗
負 濱口遥大 6勝4敗


まさかの神宮3連戦3連敗。


一時は0.5ゲーム差まで詰め寄った首位ジャイアンツとの差は広がってしまった。


13日は、ここまで好投を続けたドラ1ルーキー上茶谷大河がノックアウト。


14日は、荒ぶるサウスポー濱口遥大が、まさかの1イニング降板。


後続のリリーフも含めて15失点。


スワローズ先発ベテラン左腕の石川雅規相手に牛耳られていく。


8回1アウトまでノーヒット。


スワローズ相手のノーヒットノーランといえば嫌な記憶がよみがえる。


1997年9月2日。
横浜スタジアム。
スワローズ戦。
首位を快走するスワローズを猛然と追いかけたベイスターズは、3.5ゲーム差で
天王山の首位攻防戦に臨む。


そこに立ちはだかったのがスワローズのエース石井一久。


球界を代表するサウスポー相手に、マシンガン打線は沈黙。


本拠地で屈辱のノーヒットノーラン。


37年ぶりの優勝への気運はここで潰えた。


あの日の二の舞になってはならない。


百戦錬磨のベテランに立ちはだかったのは、横浜の若武者だった。


1996年8月30日生まれ。
三重県四日市市出身の22歳。


中学時代に四日市トップエースボーイズに所属。
1年先輩には昨年の新人王東克樹がいた。


日大三高から立正大学へ進学。


4年時には主将を務め、秋季リーグ優勝と神宮大会優勝を飾る。


昨年のドラフト会議で2位指名。


「開幕一軍と二桁本塁打が目標。新人王の東さんに続きます」


同郷の先輩を目標の一つに、彼のプロ野球人生はスタートした。


大きな期待の中、オープン戦に出場。


そこに落とし穴があった。


ファールフライト思った飛球がフェアーに。
彼は走塁をしておらず、結果はアウト。


どんなときでも全力疾走をする。


少年野球から叩き込まれたはずの基本中の基本をおろそかにしてしまった。


「野球を辞めるまで絶対忘れてはいけないこと。変わらないといけないと思った。今まではゆるみがあった。絶対隙を見せないようにと。このままでは終われないと。何とか結果を出さないといけない」


この日、彼は自身のツイッターに謝罪文を載せた。
そしてそこへのファンへの激励を事ある毎に確認し続けたという。


開幕はファームで迎えた。


一軍では、同期の上茶谷大河と大貫晋一がローテーションで活躍。
チーム躍進の一員として活躍していた。


彼は、横須賀で汗にまみれ、時を待ち、時を創った。


82試合で11本塁打。


猛暑のデッドヒートの中、彼にチャンスがまわってくる。


不動のサード宮﨑敏郎の骨折。


彼は遂に一軍の舞台に立った。


8月9日には本拠地でプロ初ヒット。
翌日には、初ホームランから2打席連続でホームラン。


サヨナラ安打の乙坂智と共に、ヒーローインタビューにも立った。


大学時代にライバルと凌ぎを削った神宮でも活躍は続く。


ここまで6試合連続安打。


ノーヒットノーランがかかった異様なムードの中、彼は打席に向かう。


鋭く振り抜いた打球は、劣勢でも熱い応援を続ける熱き星たちの待つレフトスタンドへ。


一矢を報い、悪夢を振り払った。


出場7試合で4本塁打。
打率.360。


優勝を争うチームは満身創痍。


3連覇中のカープ。
最多優勝のジャイアンツ。


かんたんに勝ち抜ける闘いではない。


だからこそ、新しい力が必要なのだ。


君こそ優勝への旗手。


一気にレギュラーを奪い取り、栄光の舞台へ駆け抜けろ!


横浜に新たな星がまた一つ。


ここで一発 裕季也!
ここで一発 裕季也!
ライトへレフトへホームラン
それゆけ それゆけ それゆけ 裕季也!


かっとばせ! 裕季也!


横浜DeNAベイスターズ。
背番号4。
伊藤裕季也。


THINGS TO CHANGE, THINGS NOT TO CHANGE.
初心を忘れないように。


Go Beyond the Limit.


I☆YOKOHAMA!