大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

令和の背番号16 #16

2022年8月19日(金)
横浜スタジアム
ベイスターズ 8-3 カープ
勝 大貫晋一 10勝4敗
負 玉村昇悟 1勝2敗


横浜スタジアム15連勝。


ヒーローインタビューには、先発バッテリーが呼ばれた。


女房役の嶺井博希は、4回裏に逆転タイムリーツーベースを放っていた。


「彼は誰がキャッチャーでも10勝できる投手です」


開幕からの彼の奮闘へ、チームを代表して背番号16に賛辞を送った。


決して本調子ではなかった。6回表途中で2走者を残して降板。
100球を投じ、9安打を浴びながらも、6奪三振。


「気持ちを込めて、粘りながら、丁寧に投げることを意識して投げました」


2年ぶり2度目の二桁勝利。
チームの右投手では、現指揮官の三浦大輔以来の快挙となった。


「とても遠く及びません」


こう謙遜する穏やかな笑顔が、ハマの夜空に輝いた。


1994年2月3日生まれ。
横浜市青葉区出身の28歳。


少年時代はベイスターズの大ファン。
憧れは「ハマの番長」三浦大輔。


ハマスタ名物「みかん氷」を食べながら、ユニフォームに身を包み声援を送った。


中学時代は地元の強豪シニアチームに所属。
だが、補欠にすらなれないこともあった。


あえて県内の強豪校には進学しなかった。
試合に出たかったからだ。


静岡県の桐陽高校では、チームを18年ぶりの県大会ベスト8に導く活躍。


日本体育大学に進学後、大学2年時の2013年春にはベストナインを獲得。


これからという時に、右肘痛が再発。
トミー・ジョン手術に踏み切る。


「プロなんて縁がないと思ってました」


保健体育の教員免許も取り、製薬会社の営業職の内定も取っていた。
だが、夢を諦められなかった。


社会人野球の強豪 新日鐵住金鹿島へ。
これまでの努力が結果となって結実する。


2018年ドラフトで、憧れのベイスターズから3位で指名を受けた。
背番号は16。


この年に引退した新日鐵住金鹿島の先輩「バレンティン・キラー」の加賀繁。


「クワトロK」の要にして1998年の開幕投手の川村丈夫。


鈴木隆、野村収、右田一彦、欠端光則といった好投手たちが背負い、チームを牽引してきた伝統ある背番号だ。


ルーキーイヤーは、同期入団の上茶谷大河とともにローテーションの一角として6勝をあげる活躍。


だが、早い回でノックアウトされる悔しい登板もしばしば。


シーズンオフには、オーストラリアへの遠征を球団へ直訴。
同級生にしてチームのエース「投げる哲学者」今永昇太らが前年のオフに遠征し、翌シーズンに結果を残していた。


更なる決意で臨んだ2020年シーズンに10勝を記録。
先発ローテーションの中心選手となった。


感染症という見えない敵との戦いも3シーズン目。
開幕から、安定した投球を続けてきた。


ハマスタでは自身6勝目。


球場の食堂で試合前に食べるうどんが大好物。
「やはり自分はここ(横浜)に慣れているから」と腹拵えをして、マウンドに上がる。


ニックネームは「ハマの豆苗」。
「ゴボウから大根ぐらいになりたいですね」


体感を鍛え、チームのデータ分析グループとも連携を密にして、投球の質を上げてきた。


「おめでとう、次は11勝目だな!」
「はい!」
力強く応えた、令和の背番号16。


どこよりも熱い横浜スタジアム。


誰も見たことのないドラマが続いていく。


ベイスターズの夏を見逃すな!


たたかうぞ
闘志みなぎらせて
勝利の海
行くぞベイスターズ
横浜DeNAベイスターズ。


背番号16。
大貫晋一。
SEIZE THE DAY.
今という瞬間を大事に一生懸命生きたいという想い。


横浜反撃。
I☆YOKOHAMA!