大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

ヨコハマシカ、カタン! #96

2023年5月3日(水)
横浜スタジアム
ベイスターズ 4-1 カープ
勝 トレバー・バウアー 1勝0敗
S 山﨑康晃 0勝2敗9S
負 九里亜蓮 1勝1敗


晴れ渡る5月3日のスタジアム。
史上最多33,202人の観客の目の前に、遂に彼がやってきた。


ポストシーズンを思わせる熱狂。
抑えきれない高揚感。


降り注ぐ横浜の日差しを全身に受けて、背番号96はマウンドに向かった。


1991年1月17日生まれ。
アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスノースハリウッド出身の32歳。


2011年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)から、アリゾナ・ダイヤモンドバックスにドラフト1巡目で指名を受けた。


翌年にクリーブランド・インディアンスに移籍
2019年のシーズン中に、シンシナティ・レッズに移籍。
この年のオフに来日し、ベイスターズの練習施設である「DOCK」を訪れて、選手と交流をしている。


2020年サイ・ヤング賞を受賞。
通算222試合。
83勝69敗1セーブ。
防御率3.79。


その後、紆余曲折があり、登板できない時期が続いた。


本人の熱意と球団関係者の努力とが結実し、今シーズン開幕前にベイスターズの一員となることが発表された。


驚きと、歓喜と、戸惑いと。


来日までの経緯もふまえ、様々な声があったのは事実だ。
だが、彼はやってきた。


ファームで調整をしながら、チームに溶け込んでいった。
一人ひとりと声を交わし、心を通わせていった。


「日本の好きなところですか? そうでないところを探す方が大変ですよ」


横浜市内の野球用品店も訪れた。


京急線に乗り、乗客の多くがかばんを前に抱えている理由を聞いた。
周りの人々への配慮のためだと知り、感激した。


渋谷のスクランブル交差点に、驚き、戸惑い、楽しんだ。


寿司店では、その仕事一つ一つの丁寧さ緻密さに感銘を受けた。


ファームで3試合登板。
メジャーリーガーの投球に、横須賀が熱狂に包まれた。


そして、彼は遂にハマスタにやってきた。


力のある直球と、変幻自在の変化球。
捕手の伊藤光と心を通わせながら、ピッチングを組み立てていく。


7回表2アウト2,3塁の大ピンチ。
渾身のチェンジアップに松山竜平のバットが空を切る。
背番号96は、生命の底から湧き上がるような雄叫びをあげた。


7回98球。
7安打1失点。
9奪三振。


来日初勝利を飾り、初のヒーローインタビューに臨んだ。


「今までプレーした野球の試合の中で、一番特別だった。
 この雰囲気をつくってくれた皆さん、ありがとう。
 皆さんのことが大好き」


マウンドでは、闘う男の顔。
マウンドを降りれば、柔和な青年の笑顔。


自らも情報を発信続ける人気YouTuberでもある。


「ヨコハマシカ、カタン!」


「投げる科学者」は、頂点への切り札。


横浜の熱い季節がはじまった。


星空に響け 激しく
魂がうねる音
闘え Warriors
俺達は生きる
勝利の女神 抱くため
情熱の火よ
我が道を照らせ
Wow wow wow BAYSTARS
勇者の遺伝子


横浜DeNAベイスターズ。
背番号96。
トレバー・バウアー。


横浜頂戦。
I☆YOKOHAMA!