大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

「投げる哲学者」の夏 #21

2022年8月16日(火)
横浜スタジアム
ベイスターズ 3-1 ジャイアンツ
勝 今永昇太 7勝3敗
S 山﨑康晃 0勝2敗26S
負 菅野智之 6勝6敗


球団新記録の本拠地12連勝。


勝利の歓喜に沸き立つハマスタの中心に立ったのは、我らのエースだった。


「ホームで勝つということはペナントを戦っていく上で必ず大事な要素になってきます」


左腕は誇らしげに、満員のスタジアムで語った。


1993年9月1日生まれ。
福岡県北九州市出身の28歳。


福岡県立北筑高校から駒澤大学を経て、2015年ドラフト1で入団。


ルーキーイヤーから先発ローテションの一角として活躍。


「三振を取れる投手ではなく、勝てる投手がいい投手。力のない人間は練習するしかない」


「雨だから負けていい、なんていうのはレベルが低い。幼稚な考え方。そこをどうするか考えることでランクが上がる」


登板後に発する秀逸なコメント。


「投げる哲学者」が、ハマのマウンドに誕生した。


シーズン中には、日本全国を移動することもプロの宿命。


その際には、読書を欠かさない。


勝利のために、ありとあらゆる努力を重ねてきた。


チームのデータ分析班との連携も強めながら、実力と知性を磨いていった。


そして迎えた2022年シーズン。


開幕投手の期待もあったが、シーズン開幕に彼の姿はなかった。


5月に一軍復帰。


6月7日。
札幌ドーム。
球団として52年ぶりのノーヒットノーランの偉業を達成。


「まさか自分ができるとは思っていなかったですけど、何者でもない一投手の自分を見ている方々がこういう結果に導いてくれた」


やられてばかりのノーヒットノーランを、ベイスターズの選手が成し遂げる日が来たのだ。


最下位にあえいでいたチームが、上昇気流に乗った。


8月の横浜スタジアム。


火曜日のまっさらなマウンドには背番号21。


エース対決が宿命付けられる闘い。


8月2日は、カープの森下暢仁。
8月9日は、タイガースの青柳晃洋。


そして、この日はジャイアンツの菅野智之。


「プロに入ってから、菅野さんと投げ合い勝ったことがなかった。投げ勝つことが目標の一つだった」


それをこの日、成し遂げて見せた。


「9番目の打者としていい流れを持ってきてくれている」


ともにヒーローインタビューに立ったハマのリードオフマン桑原将志も、称賛を惜しまなかった。


「僕の役割は、いいピッチングじゃなくて、何があってもチームを勝たせること」


闘いは勝つと決めたものが勝つ。


誰も見たことのない横浜劇場。


その主人公は、頼れるハマのエース。


「投げる哲学者」の夏は続く。



左腕がうなれば
狙いははずさない
ピンポイントの技
攻めて攻めろ 昇太


横浜DeNAベイスターズ。
背番号21。
今永昇太。


THE FLOWER THAT BLOOMS IN ADVERSITY IS THE RAREST.
ピンチの時こそ自分が成長できるチャンス。


横浜反撃。
I☆YOKOHAMA!