大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

KEEP SHINING EVEN IN THE DARK #6

2021年7月11日(日)

バンテリンドーム ナゴヤ

ベイスターズ 5-5 ドラゴンズ


敗色濃厚の9回表。

ノーアウトランナーなし。


後がない状況から、希望を紡ぎだしたのは19歳の若武者だった。


難攻不落のドラゴンズ守護神ライデル・マルティネスから鮮やかなライト前ヒットで出塁。


すかさず盗塁を決めて、スコアリングポジションへ。


キャプテン佐野恵太のタイムリーヒットで、同点のホームを駆け抜けた。


名古屋に一陣の風を吹かせた背番号6が、希望をつないだ。


2002年1月28日生まれ。

静岡県静岡市出身の19歳。


桐蔭学園高校から2019年ドラフト1位で入団。


ベイスターズは大学生投手をドラフトで獲得し、成功を収めてきていた。


2014年1位の山﨑康晃は、開幕からストッパーに定着。

「小さな大魔神になります!」

圧巻の大活躍で、新人王を獲得。


2015年1位は、今永昇太。

開幕からローテーション投手として活躍。

その秀逸なコメント力から「投げる哲学者」と呼ばれ、球界を代表する左腕の一人となっていく。


2016年1位は、濵口遥大。

豪快なピッチングで10勝をマーク。

19年ぶりに進出した日本シリーズで快投劇を演じる。


2017年1位は、東克樹。

11勝を挙げて、新人王を獲得。

今永のコメント力、濵口の豪快さを併せ持つ「小さな大投手」の道を歩み始めた。


2018年1位の上茶谷大河は、完封劇も含む7勝を記録。

横浜ドラ1栄光の系譜に連なった。


その方針を大きく転換して、高校生選手の1位指名を決断。


神奈川の高校からの1位指名は、2009年の筒香嘉智以来となった。


走攻守揃った逸材の一本釣りに成功する。


ルーキーイヤーは、ファームで実力を磨いてきた。


シーズン最終盤に一軍に昇格。


ジャイアンツの160km右腕チエゴ・ビエイラから、レフトフェンス最上段に直撃するツーベースでプロ初ヒットを飾った。


「もう少しパワーがあれば入っていた。もっとトレーニングしないと」


ルーキーの初打席初ヒットとは思えない感想に、その大物ぶりがうかがえる。


緊張と興奮のなか、坂本勇人から祝福の言葉をかけられ、はじめて笑顔がこぼれた。


「めちゃくちゃ嬉しかったです」


球団は違えどかつての高卒ドラ1の大先輩。


そして、球界を代表するショートストップにして背番号は6。


「石井琢朗のようなショートになれる」(神奈川担当スカウトの稲嶺茂夫)


スーパースターの系譜の入り口にはまずは立った。


横浜には2つの大きな歴史がある。


1998年日本一の「マシンガン打線」に象徴される、圧倒的打撃力。


どんなに点差があっても、あきらめずに立ち向かい、何度も奇跡的な逆転劇を演出してきた。


もう一つが、昭和の「スーパーカートリオ」に象徴されるスピードスターの歴史。


レベルアップしてきた長打力に比べて、この機動力不足が嘆かれてきた。


「今のDeNAに足りないところをたくさん持っている選手」


スーパーカートリオの一角の高木豊が、その活躍を絶賛する。


石井の移籍後、何人かスピードスターは現れた。


DeNAベイスターズ初代キャプテン・石川雄洋。


青い韋駄天・梶谷隆幸。


だが、スーパーカートリオのような人材群になることはなかった。


令和の背番号6は、まだ19歳。


閉塞しかけたチームを一気に蘇生させる可能性。


指揮官が目指す野球を体現しゆく力を十分に秘めている。


2番ショートで今季初スタメン。


華麗な守備でグラウンドに躍動。


初回には先制点に結び付く犠打。


3回には今季初ヒットで出塁。

盗塁死はしたが、このリベンジを土壇場で果たして見せた


「足は自分の武器。宝の持ち腐れにしたくない」


竹の節を一つ破ぬれば余の節亦破るるが如し。


彼が突破口となり、新たな人材群が溢れ出してくる。

そんな予感さえさせる躍動感がある。


背番号6が、横浜新時代を開きゆく。


出た出たついに

必殺バットマン

白い弾丸打ち込んで

ガッツポーズだ


かっとばせ! 敬斗!


横浜DeNAベイスターズ。

背番号6。

森敬斗。


KEEP SHINING EVEN IN THE DARK

明月之珠。

暗闇でも自ら光を放って照らす明月のような宝玉になる。


I☆YOKOHAMA

今こそ、横浜一心。