大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

オバQの「魔法の言葉」 #9

2019/06/19(水) 横浜スタジアム
ベイスターズ 7x-6 ファイターズ


勝 エドウィン・エスコバー 2勝1敗
負 石川直也 1勝1敗2S


桑原将志の先制ホームランは、先日50歳の若さで逝去された母栄美さんに捧げる一打。


「自分に託されているのは野球でいいプレーをすること。見ている人に何かを感じてもらいたかった」


大地震が発生した新潟出身の飯塚悟史。
今季初登板初先発のマウンドは、5回表途中で無念の降板。


緊急リリーフの藤岡好明も、古巣ファイターズの勢いを止めることが出来ず逆転を許してしまう。


その直後、絶好調ネフタリ・ソトの逆転スリーランホームランがバックスクリーンに突き刺さる。


豪速球左腕エドウィン・エスコバーの160kmリリーフで同点のまま9回裏へ。


取って取られてのシーソーゲーム。


チームとファンと、みんなで思いを繋いだ同点の9回裏。1アウト2塁。


サヨナラのチャンスで打席に向かう背番号9に、「オバQ」こと田代富雄チーフ打撃コーチが声をかける。


「おなかがすいたよ。早く決めてくれ」


真面目で一生懸命。そしてちょっと抜けている。でも憎めない。


美しい放物線を描くホームランの軌道が「オバケのQ太郎」に似ているところも引っかけて、ついたニックネームが「オバQ」。


引退後は主にファームの指導者として、強打者を育成してきた。


多村仁志。
金城龍彦。
内川聖一。
村田修一。
吉村裕基。
梶谷隆幸。
そして、筒香嘉智。


「田代さんには本当にお世話になった」


歴代の強打者たちが異口同音に語る。


「俺は愚癡の酒は飲まない」


選手に寄り添い、酒を酌み交わし、徹底して話を聞き、親身になって面倒を見続けてきた。


タイガースからフリーエージェントでやってきた彼にも、その眼差しは注がれていた。


「あいつは力むと打撃がひどくなるから」


その心が「魔法の言葉」となって、結実した。


「ベンチ裏にパンがありますよ」


「俺は早く一杯飲みたいんだよ!」


完全にリラックスした彼は、最高の状態で打席に向かう。


巧にに振り抜いた一打は、左中間へのサヨナラタイムリーツーベース。


「相手はいいピッチャーなので、初球から狙っていきました。今日は、みんなで取ったゲーム。僅差で勝てたのでまた強くなります」


頼れる男は、ヒーローインタビューでも謙虚に語った。


「交流戦残り全部勝てるように頑張ります!」


最大11あった借金はこれで3。
交流戦首位のホークスとのゲーム差は0.5。


「まさかが実現」するところまで来た。


横浜の熱い夏が、始まった。


敵は すぐ目の前だ
大いなる 闘志燃やせ
響け 和の魂
輝ける 未来へ


かっとばせ!ヤマト!


横浜DeNAベイスターズ。
背番号9。
大和。


BE THANKFUL FOR EVERY NEW DAY.
野球ができる環境を作ってくれる周りに感謝。


Go Beyond the Limit.