大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

130試合の勲章 #34

2020年10月7日(水)

東京ドーム

ベイスターズ 6-3 ジャイアンツ

勝 平田真吾 1勝0敗

S 三嶋一輝 1勝1敗12S

負 田口麗斗 5勝5敗


夜明けの来ない夜はない。

冬は必ず春となる。


プロ7年目。

130試合目の登板。

2年ぶり2回目の先発マウンドは、5回85球。

首位を快走するジャイアンツ打線から奪ったアウト15のうち、三振は7。


ブルペンを支え続けてきた縁の下の力持ちに、初めて「勝利投手」の称号が与えられた。


1989年8月29日生まれ。


大洋ホエールズ発祥の地・山口県下関市出身の31歳。


「お金のことで親に迷惑をかけたくはなかった」


山口県立豊北高等学校から北九州市立大学へ進学。


苦労人は大学4年生のシーズンで力を発揮し、野球を続けられることになった。


そしてHonda熊本から、2013年ドラフト2位で入団。


2014年4月2日。

横浜スタジアム。

ジャイアンツ戦。


背番号34は、本拠地のマウンドにデビュー。


リードしていた8回に登板したが、1アウトしか取れずにノックアウト。


ジャイアンツ打線には、ホセ・ロペスもいた。


「いいボールを投げている。きっとチームの中心選手になりますよ」


球団OBの松原誠は、この頃ブレイクしていた梶谷隆幸とともに期待を寄せていた。


だが、なかなか結果は出なかった。


どんな場面でも投げてきた。

だが、打ち込まれたシーンばかりが記憶に残る。


プロとは厳しい世界だ。


昨シーズン終了後、大貫晋一らと共にオーストラリアン・ベースボールリーグへ派遣を志願。


2018年オフには、今永昇太、国吉佑樹らが派遣され、帰国後復活していた。


家族を残し、年末年始もなく野球に取り組んだ。


3ヵ月遅れでスタートした2020年シーズン。


開幕一軍を勝ち取って見せた。

ヒゲを蓄えて精悍さを摩した右腕は甦った。


誰もが経験したことのない、見えない敵とも闘わなければならないペナントレース。


勝ちゲーム。

敗戦処理。

同点の緊迫した場面で。


彼はマウンドに向かい続けた。


そして、今シーズン初。

2年ぶり2回目の先発のマウンドに向かった。


奇しくも舞台は同じ東京ドーム。


あの日も5回を無失点に抑えてはいた。

チームは勝利したが、打線が火を噴いたのは彼が降板した後だった。


初回のピンチも最少失点で切り抜けた。


その後もソロホームランだけで凌ぎきった。


彼の降板直後の6回表。


ベンチの誰もが知っていた。

右腕に、プロ初勝利の可能性があることを。


1点ビハインドの展開に、打線は大いに奮起した。


相手の守備の乱れをつき同点。

ホセ・ロペス、ネフタリ・ソトの連続ホームラン。


鮮やかすぎる逆転劇だった。


伊勢大夢。

砂田毅樹。

エドウィン・エスコバー。

石田健大。

三嶋一輝。


ブルペンの同志たちが、このリードを守り抜いた。


「長いイニングを投げられると思っていませんでした。次も先発ですか? 無理ですね」


右腕はウイニングボールを握りしめながら、笑顔で応えた。


「頼りない31歳ですが、まだまだ頑張りたい」


今シーズン95試合目の勝利は、熱き星たちにとって格別の喜びとなった。


こんな喜びがあるから、ファンを続けていくことが出来るのだ。


今日も闘いは続く。

横浜の熱き物語が綴られていく。


たたかうぞ

闘志みなぎらせて

勝利の海

行くぞベイスターズ


横浜DeNAベイスターズ。

背番号34。

平田真吾。


LIVE FOR THE DAY

今日という日に後悔をしないように。


心をひとつに。

BECAUSE WE ARE FAMILY.