君の熱き血潮で 燃えろ 雄洋 #52 #7 #42
2021年6月5日(土)
横浜スタジアム
ベイスターズ 11-9 マリーンズ
勝 濵口遥大 3勝4敗
S 三嶋一輝 0勝3敗10S
負 美馬学 3勝3敗
栄冠掴むその日まで
恐れず飛び込めベースへ
1回裏、ハマの元気印・桑原将志が打席に向かう。
ハマスタにあの応援歌が流れる。
初代キャプテンからリードオフマンを引き継いだ背番号1は、痛烈な二塁打で先陣を切る。
2番キャッチャーに定着した伊藤光が、初球で送りバントを決める。
昨シーズンの最終戦後のセレモニーで、初代キャプテンのタオルを手に場内を一周したハマの司令塔は、きっちりと自分の役目を果たした。
「自分らしく。自分の言葉で思いを伝えることが大切だよ」
キャプテン就任時にかけられた言葉を胸にチームをけん引する佐野恵太が、鮮やかな先制打を放つ。
「入団した時からお世話になり、プライベートでもかわいがっていただいたので、感謝の思いを込めて登場曲を使わせてもらった」
ハマのホットコーナーを死守する宮﨑敏郎は、3回裏のチャンスでタイムリーヒット。
初代キャプテンのために、全員が一丸となって、勝利をもぎ取った。
スーツに身を包んだ初代キャプテンが、ハマスタに帰ってきた
1986年7月10日生まれ。
静岡県駿東郡出身の34歳。
2004年ドラフト6位で横浜高校から入団。
「黙々と努力をしていた。その姿にみんながついていった。本人がアピールするのでなく、まわりが認めていったんです。そういう選手はなかなかいないんです」(渡辺元智・横浜高校元監督)
「(同期入団で)僕が4歳年上なんですけど、彼に引っ張ってもらったんです」(藤田一也)
「放っておくとどこかへ行ってしまいそうな危うさがあった。それぐらい一生懸命だった。キャプテンを引き継げるような選手になってくれた」(村田修一)
走攻守三拍子そろった力を発揮し、レギュラーに定着していく。
だがチームは低迷が続いた。
ハマスタにも閑古鳥が鳴く。
「勝てない時期はつらかった。でもファンの皆さんに本当に申し訳なかったと思います」
2011年オフ、新球団横浜DeNAベイスターズが誕生。
彼は初代キャプテンに就任する。
情熱的な指揮官の中畑清と、闘志を内に秘めるタイプのキャプテンは、しばしば衝突していく。
「本気でぶつかったからハラが割れたんだ。野球に対する情熱は半端じゃなかった」
骨折を隠して、送りバントを決めたこともあった。
大量点差があっても、ヘッドスライディングでナインを鼓舞したこともあった。
そしてチームは力をつけていく。
クライマックスシリーズに、日本シリーズ。
反比例するように、出場機会が減っていく。
2019年4月29日。
東京ドーム。
10連敗中のチームを救う決勝ホームランを放ったのは、その日ファームから這い上がってきた彼だった。
「キャプテンとして自分で解決できないことは、すべて相談してました。本気で人のことを思える方です」(筒香嘉智)
2019年8月4日。
横浜スタジアム。
通算1000本安打は、ヘッドスライディングでもぎ取った三塁打。
試合後には、関内駅でスタッフが購入してきたコージーコーナーのケーキで記念撮影。
歓喜の笑顔が、横浜の夜空に輝いた。
背番号を42に変更した2020年シーズンは、一軍出場のチャンスがなかった。
そして、無念の戦力外通告となった。
「この横浜で優勝したかったです。でもその思いは、ここにいる素晴らしい選手たちがかなえてくれると信じています」
その熱き血潮は、確かに受け継がれた。
社会人フットボールリーグXリーグのノジマ相模原ライズに加入することが発表されている。
我らの永遠主将の、終わりなき旅「第二章」が始まった。
栄冠掴むその日まで
恐れず飛び込めベースへ
君の熱き血潮で
燃えろ 雄洋
横浜DeNAベイスターズ。
背番号52。
背番号7。
背番号42。
石川雄洋。
TAKE OFF,TAKAHIRO.
羽ばたけ、タケヒロ。
今こそ、横浜一心。
I☆YOKOHAMA
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