大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

心こそ大切なれ #5

2019/09/11(水) 横浜スタジアム
ベイスターズ 10-4 ジャイアンツ
勝 井納翔一 4勝5敗
負 桜井俊貴 8勝4敗


5連敗でジャイアンツに2度目のマジック点灯を許してしまった。


まさに崖っぷちの状況を打破したのは、2回裏のネフタリ・ソトのバックスクリーン直撃弾。


3回裏には2打席連続ホームランをレフトスタンドへ。


ジャイアンツの猛攻も、途中出場の梶谷隆幸の力と技のホームランで突き放していく。


そして迎えた8回裏。


7~8回を無失点で抑えた剛球左腕エドウィン・エスコバーの代打として背番号5が打席に立った。


1991年1月7日生まれ。
神奈川県茅ヶ崎市生まれの28歳。


少年時代の憧れは石井琢朗。


「いつかは横浜スタジアムで、石井さんのようなショートして活躍する」


少年は大志を抱き、横浜高校へ進学。


横浜高校では、1学年下の筒香嘉智とともに全国ベスト4。


創価大学では、同学年の小川泰弘とともに全国ベスト4。


キャプテンとして活躍した彼は、エースの小川とプロ野球志望届を提出。


だが、指名は叶わなかった。


「原点に戻って一からやり直す」


固い決意を胸に、都市対抗野球の常連 日本新薬へ就職。


南海ホークスなどで活躍した門田博光の指導を仰ぎ、打撃開眼。


堅実な守備も評価され、ドラフト候補選手と成る。


「強打の内野手がほしい」


中畑清監督の意向も受けて、2014年ドラフト3位で入団。
同社からは10年ぶりのプロ野球選手と成った。


「背番号5、空いてるぞ」


3位指名ながら、1位は山﨑康晃(背番号19)、2位は石田健大(背番号14)と投手の指名だったこと。


前年に森本稀哲が退団していたこと。


何かに導かれるように、彼は背番号5を背負うことになった。


「やっと背番号5にふさわしい選手が出てきてくれた」


当時、カープのコーチをしていた石井も我が事のように喜んでくれた。


7番ショートで開幕スタメンを勝ち取り、一気にレギュラーに。


2017年には、レギュラーシーズン、クライマックスシリーズ、日本シリーズとフルイニング出場。


一気にチームの看板選手と成った。


そのオフに風向きが変わる。


タイガースから球界屈指の守備職人 大和がフリーエージェントで移籍。


セカンドへコンバートされ、フルイニング出場も途絶えた。


本来の調子を取り戻すことが出来ないまま、シーズンが終わってしまった。


「ショート一本で勝負する」


並々ならぬ決意で迎えた2019年シーズン。


思うような結果が伴わず、ファームでの調整が続いた。


かつて一軍でレギュラーを貼った仲間たちや、明日を夢見る若い選手たちと横須賀で汗を流してきた。


そして勝負の9月、背番号5はハマスタへ帰ってきた。


大歓声の中、打席に向かう。


鋭く振り抜いた打球は、三遊間へ。


坂本勇人のスーパーキャッチも何するものぞ。


間一髪のタイミングをヘッドスライディング。


この闘志。
この気迫。
この執念。


連敗中に少しだけ足りなかった何かを、寡黙な彼が身体を張って示して見せた。


どん底から這い上がってきた男に、失うものはない。


それが、ネフタリ・ソトのこの日3本目と成るホームランに繋がった。


連敗が止まったとはいえ、チームは崖っぷち。


僅かに残る優勝への可能性も風前の灯火。


だが、最後の最後まで戦い抜くしかない。


その先に、栄光の頂は必ず姿を現す。


本当の闘いは、これからだ。


かっとばせ 見せろ男意気
さあ打つぞ 勝利へ導け


横浜DeNAベイスターズ。
背番号5。
倉本寿彦。


PLAY FROM THE HEART.
心こそ大切なれ。


FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。