背番号14の熱い夏は終わらない #14
2019/09/12(木) 横浜スタジアム
ベイスターズ 5-8 ジャイアンツ
勝 田口麗斗 3勝3敗1S
負 平良拳太郎 5勝5敗
優勝争いの大一番。
首位攻防の天王山。
絶対負けられない3連戦。
こんな言葉、見聞きするのはいつ以来だろうか。
まさに、21年ぶりの大勝負。
真正面から闘いに挑んだ。
だが、負け越してしまった。
ウイング席が増設されて、連日32000人が詰めかけた横浜スタジアム。
熱き星たちの歓声は、溜息に変わった。
だが、最後まで選手たちは諦めることなく食らいついた。
その口火を切ったのは、我らが選手会長だ。
4回を終了して1-6の5点差。
絶望的なスコアの中で、今日も左腕はマウンドに向かう。
2年連続開幕投手を務めながら故障で開幕に間に合わず、中継ぎとしてスタートした。
「いつかは先発のマウンドに戻りたい」
熱き想いを心に秘めて、ピンチの場面を何度も救ってきた。
春先に大型連敗を繰り返したチームが、気がつけばAクラスに躍進。
一時は首位に0.5ゲーム差まで肉薄。
後半戦から先発ローテーションに復帰した彼も、安定した投球で白星を重ねていった。
そして、勝負の9月。
再び、彼の職場はブルペンになった。
勝ち抜けないチームにあって、痺れるピンチを何度も救ってきた。
何より、顔付きが変わった。
温厚で柔和な表情に、力強い輝きが加わった。
闘う男の顔になった。
左腕には圧倒的な力が漲る。
5回表を三者凡退で抑えると、攻撃陣にその闘志が乗り移る。
連打で3点差に詰め寄り、今一度ゲームを立て直した。
6回表も無失点に抑えた彼のピッチングに、今一度チームは起ち上がったのだ。
大事な闘いに、勝ち抜くことは出来なかった。
だが、まだ終わってしまったわけではない。
僅かばかりの可能性がある限り、最後の最後まで戦い抜くだけだ。
寡黙な左腕は、身をもってその事を示して見せた。
熱い闘いは、まだまだ続く。
背番号14の熱い夏は終わらない。
左腕がうなれば
狙いははずさない
ピンポイントの技
攻めて攻めろ 健大
横浜DeNAベイスターズ。
背番号14。
石田健大。
GRATITUDE.
ファン、家族、環境、すべてのものに感謝。
FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。
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