大田区からハマの星に祈りをこめて

ベイスターズの試合について熱く書いていきます。1試合に1選手。最も心揺さぶられた事に、全力投球! そしてフルスイングで!

新たな歴史に その名を刻め #3

2019/08/23(金) 東京ドーム
ベイスターズ 5-1 ジャイアンツ


勝 東克樹 4勝2敗
負 桜井俊貴 7勝3敗


背番号3が帰ってきた。


連休中に二軍調整を命じられて以来、横須賀で汗にまみれてきた。


精悍に日焼けしたその顔が、これまでの苦闘を物語る。


いきなりの1番ライトでのスタメン。


3点リードの第2打席。


体制を崩しながらも、ライトポール際へ今季第1号の2ランホームラン。


軽やかにダイヤモンドを一周した彼を、チームメイトたちは笑顔で迎え入れる。


復活を信じて声援を送ってきた熱き星たちの、歓喜の雄たけびがドームに響き渡る。


初回のネフタリ・ソトの3ランホームランと併せて、先発の東克樹を大きく援護した彼へ、ファンの祈りにも似た期待は高まる。


1988年8月28日生まれ。
島根県松江市出身の30歳。
開星高校から、2006年高校生ドラフト3位で入団。


「長嶋さんみたいな内野手のスーパースターをつくりたいんだ」


2012年にDeNAベイスターズ監督に就任した中畑清は、彼を抜擢。


開幕戦に1番ショートで起用した。


翌2013年後半戦に打撃開眼。


「彼は間違いなくベイスターズの中心選手になりますよ」


OBの松原誠も太鼓判を押す活躍だった。


2014年に外野手転向。背番号も「3」に変更となる。


2016年にチームは12球団最後のクライマックスシリーズ進出を果たす。


そのファーストステージ第3戦。
東京ドーム。


死球を受けた彼は、左手薬指を骨折。


途中交代を余儀なくされる。


ダグアウトで彼は男泣きに泣いた。


痛みにではない。
大事な試合に出ることができなくなった悔しさに泣いたのだ。


チームは王者カープの待つファイナルステージへ。


彼は、当たり前のようにマツダスタジアムの練習に参加していた。


「僕はなんとしても試合に出たいです。でもそれを決めるのは監督です」


「その言葉で十分だ」


テーピングで左手をガチガチに補強し、大切なグラブにはさみを入れて、かれは試合に出場。


フェンスにぶつかることを恐れずにファールフライを取りに行く姿勢には、カープファンからも大きな拍手が送られた。


そしてホームランまで放つ活躍をしたが、チームは日本シリーズに進出することはできなかった。


2017年にチームは日本シリーズに進出。彼も1億円プレーヤーの仲間入りをする。


2018年シーズンは開幕一軍を逃し、夏場にまたもや死球を受けて骨折。無念の戦線離脱となってしまった。


捲土重来を期した今シーズンも、5月には二軍降格。


ファームでは活躍の場を求めて、内野の守備練習も行っていた。


「4ヶ月でこんなにも色々な感情がわき上がるものなんだと。なかなか経験できないことだけど、全ていい方向に向かった。これだけのファンの前でプレーできるのは幸せ」


負ければジャイアンツのマジック点灯を許してしまう大事な3連戦の初戦をもぎ取った。


栄光と悔しさを知る背番号3が、一軍のベンチに戻った。


蒼い韋駄天の新たな歴史が始まった。


ダイヤモンドを駆け抜けて、栄光の旗を掴み取ろう!


新たな歴史に
その名を刻め
梶谷隆幸
蒼い韋駄天


横浜DeNAベイスターズ。
背番号3。
梶谷隆幸。


I CAN DO IT.
不安があっても「俺はできる」と言い聞かせてプレイに臨む。


Go Beyond the Limit.


I☆YOKOHAMA!