一生残る、一瞬のために。 #25
2019/09/04(水) 横浜スタジアム
ベイスターズ 7x-5 タイガース
(延長10回)
勝 エドウィン・エスコバー 5勝4敗
負 能見篤史 1勝2敗
「勝負の時は、必ず9月に来る」
我らのキャプテンは、梅雨明けからそう言い続けてきた。
「プレーするのは選手なので。今回は選手みんなで決めよう」
8月最後の3連戦で、選手会長の石田健大とともに考えてきたスローガンをチーム全員の前で発表した。
「この瞬間を逃したら、一生戻ってこない」
選手、監督、コーチ、スタッフ全員の名前が記されたTシャツを、一人ひとりに手渡していく。
春先の悪夢の10連敗。
そこを打ち破る、初代キャプテン石川雄洋のホームランから始まる快進撃の映像が、少年時代の選手たちと織り交ぜて公開される。
厳しく激しい競争を勝ち抜いて、プロ野球という世界に足を踏み入れた選手たち。
その究極の目標である優勝が、手に届くところまで来ている。
四番に戻ったキャプテンが、最後の最後に結果を出した。
4点のビハインドを追いついて、試合は延長戦に突入。
22時を過ぎて、鳴り物の応援がなくなった横浜スタジアムに、背番号25の美しく力強い応援歌が轟き渡る。
鋭く振り抜いた打球は、熱き星たちが陣取るライトスタンド上段へ突き刺さる。
キャプテンはバットを放り投げて歓喜の雄叫びを上げる。
スタジアムが熱狂に包まれる。
「全員で勝ち取った試合。最後までベイスターズらしく全力で戦います!」
男に二言はない。
横浜にチャンピオントロフィーを。
ハマスタに栄光の旗を。
誰も見たことのないドラマの渦中に、我らは居る。
世間をアッと言わせる、「まさか」がまもなく実現する。
横浜には、日本の主砲が居る。
優勝するのはベイスターズだ!
横浜の空高く
ホームランかっ飛ばせ筒香
さぁ打て筒香
飛ばせ空の彼方
横浜に輝く大砲
かっとばせホームラン
GO GO TSUTSUGOH!
横浜DeNAベイスターズ。
背番号25。
筒香嘉智。
VAMOS A SEGUIR ADELANTE!
前に、前に、積極的に行こう。
FOR THE MOMENT THAT WILL LAST A LIFETIME.
一生残る、一瞬のために。
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